林修の今でしょ!講座

【林修の今でしょ講座 】冷凍庫学!正しい冷凍&解凍法で美味しさアップ

2016年3月1日 林修先生の今でしょ講座は、冷凍庫を科学的に学ぶ冷凍庫学。
正しい冷凍&解凍法で美味しさアップ!
教えてくれるのは、冷凍一筋35年「冷凍庫博士」の東京海洋大学教授 鈴木徹先生。
冷凍したら美味しさアップする食材が、あさり・えのき・ステーキ肉。
冷凍してはいけない食材ワースト3が、タケノコ・かまぼこ・マグロ。

冷凍保存とは、食品を凍らせることで細菌や微生物の活動を止めます。
細菌や微生物は、食品の栄養を食べて有害物質を出し、食品を腐敗させますが、-18℃以下で細菌や微生物の活動が止まります。

冷凍したら美味しさアップ食材ベスト3

1位 ステーキ肉

ステーキ肉は冷凍して調理すれば、表面と中心の温度差を利用し、肉汁を閉じ込めることができます。

お肉は長期間パックのまま冷凍すると劣化してしまうので、きっちりと空気に触れさせないように冷凍するのがポイント。

ステーキ肉の正しい冷凍法が「トリプルラップ法」
ステーキ肉にしっかりラップをして空気を抜き、肉の酸化を防ぐ。

林修の今でしょ講座 冷凍庫学

さらに、その上から2回ラップをします。
この時、2~3回目はラップをゆったりと巻き、空気を含ませて下さい。
お肉は冷蔵庫の開閉による温度の変化に弱いため、ゆるく巻くことによってラップの間に空気の層を作り、外からの熱をブロックしてお肉の温度を一定に保つことができます。

林修の今でしょ講座 冷凍庫学

そして、ステーキ肉の正しい解凍法が「凍ったまますぐに加熱」
ステーキ肉(厚さ1.5cmの場合)を凍ったままフライパンの上に入れて、フタをして2分焼く。
裏面も同様に2分焼き、火を止めて2分待つ

林修の今でしょ講座 冷凍庫学

生のステーキ肉を焼く時に失敗しやすいのは、火が通り過ぎるから。
冷凍したステーキ肉は、表面と中心に温度差があるので、誰でも簡単に上手に焼けます。
表面は熱が通って温度が上がっているが、中心部は冷たい状態。
表面の焼き目で肉汁を閉じ込めます。

お肉はなるべく温度変化の少ない冷凍庫の真ん中で冷やすのがベスト。

林修の今でしょ講座 冷凍庫学

お肉を自然解凍すると肉汁が出てしまい、うま味が減少してしまう。

2位 えのき

細胞の中に氷ができて、細胞がダメージを受け、壊れます。
細胞から出た酵素が自由に動き、うま味を作り出します。

酵素とは、生物全般が持っていて、生きていく上で欠かせないとても重要なもの。
そして、食材によって良い働きをしたり悪い働きをしたりします。

えのきの正しい冷凍法が「じんわり冷凍」
まず、えのきを冷凍保存袋に入れ、新聞紙にくるみ断熱させつつ凍らせます。
そうすることによってじわじわと温度が下がっていきます。

林修の今でしょ講座 冷凍庫学

そして、えのきは冷凍庫の上の方に置くと、冷凍庫の開け閉めの温度変化によって細胞を刺激してうま味がアップします。

また、えのきの正しい解凍法がゆっくり解凍
新聞紙に包んで冷蔵庫で解凍しましょう。
ゆっくり解凍するとグアニル酸を豊富に摂ることができます。

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レシピは、細胞から流れ出たエキスを逃さない「えのきのホイル焼き」がオススメ。

3位 あさり

あさりは、細胞の中にうま味エキスが閉じ込められていて、冷凍すると氷で細胞が壊れます。
生の場合、細胞からエキスが出てこないのですが、冷凍すると細胞が壊れるからエキスが出てきてうま味がアップします。
お味噌汁に入れると出汁がものすごく濃くなるそう。

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あさりの正しい冷凍法が「氷漬け冷凍」
保存容器にあさりを入れて水で浸して凍らせます

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そして、正しい解凍法が凍ったままの氷ごと一気に加熱する。

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冷凍したあさりの調理法のポイントは、外に出たうま味も逃さないこと!
冷凍した水の中にもエキスが出るので、その水も使って一緒に調理しましょう。

レシピは、あさりのうま味エキスを逃さない「あさりの酒蒸し」、あさりのうま味が出た煮汁を麺と絡ませた「あさりのパスタ」がオススメ。
はまぐり、しじみ、ムール貝なども冷凍するとうま味がアップします。
特にしじみは、冷凍することによって、うま味がアップするだけでなく、肝臓に良いとされるオルニチンが約8倍になります。

冷凍してはいけない食材ワースト3

1位 タケノコ

食物繊維がくっついて固くなるからタケノコを丸ごと冷凍するのはNG。
冷凍すると氷の大きな層ができ、サクサク感がなくなり、噛むと水が出てきてなかなか噛み切れないという状態に。
冷凍する時は、タケノコを小さく切ると良いとのこと。

2位 かまぼこ

かまぼこは冷凍すると繊維が崩れてスカスカになります。

3位 マグロ

家庭用の冷凍庫では、マグロ変色させる色素である「ミオグロビン」が凍らないので、マグロは冷凍NG。
ミオグロビンの活動を停止させるには、約-60℃にしなければいけません。
冷凍庫の温度は、家庭用で約-18℃、業務用で約-60℃。

マグロが余った時のオススメ冷凍法が「醤油漬け」などに漬けて冷凍する方法。
ミオグロビンにより色は変化しますが、味は変わりません。

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冷凍庫学で学ぶ時短テク

トマトの皮が一瞬で剥ける!

トマトを丸ごとラップに包み、密閉式ビニール袋に入れて冷凍庫で凍らせる。
トマトの正しい解凍法が水洗い解凍
冷凍トマトを水に10秒浸け、あとは手で皮を剥くだけ。

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解凍すると柔らかくなるのでサラダには向かないが、トマトソースを作るには丸ごと使えるのでオススメ。

4時間かかる角煮が80分で作れる!

豚肉を凍らせるだけで煮込み時間が短縮できます。
豚肉を冷凍すると細胞の隙間が大きくなり、この隙間から味が染み込みます。
さらに、冷凍することで短時間で柔らかくなります。

豚肉の正しい冷凍法が下味冷凍
醤油・酒・みりんなどを入れた密閉式保存袋に豚肉を入れて冷凍するのがオススメ。
そして、解凍法は、凍ったままお鍋に入れて煮込む。

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飴色玉ねぎが5分で作れる!

玉ねぎの90%が水分で、手早く調理するにはいかに水分を抜くかがポイント。
その水分を早く抜く方法が、細胞を壊すこと。
生の玉ねぎは細胞が密集して水分が出にくいのですが、冷凍玉ねぎは細胞が壊されて水分が出やすくなります。

冷凍玉ねぎを炒めるときは、温度を上げすぎると焦げるので弱火で炒めましょう。
また、玉ねぎは乾燥しやすいので冷凍する際はラップをすることが重要です。
丸ごと冷凍してもOK!数分おけば切れるようになるそう。

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