2016年3月15日放送の林修先生の今でしょ講座は、科学の力でうどん、そば、ラーメン、カップ麺の家庭料理を名店の味に!
さらに、カップ麺にひと手間を加えて美味しくさせる方法も紹介されていました。
簡単な科学的なひと手間で劇的に美味しくなるテクニックが満載です。
うどん
1玉80円のうどんを科学的なひと手間で香川県の老舗うどん屋さん「うどん亭いわせ」の名店の味に近づけます。
麺のコシがアップ!麺の弾力性
麺のコシを強くするカギは「麺に含まれる水分」。
どうやって水分を減らすか?がポイントです。
麺のコシを強くするために、うどんを茹でる前に500Wの電子レンジで30秒温める。
206gある麺の重さが203gに!
また、本来の茹で時間だと麺の水分が元通りになるので、袋に表示されている半分~6割程度が適度な茹で時間。
出汁を美味しく!ダシの成分
鍋の中に昆布・かつお節の出汁の他に干ししいたけの戻し汁を入れる。
うまみ成分は、昆布がグルタミン酸ナトリウム、かつお節がイノシン酸、干ししいたけがグアニル酸。
昆布、かつお節に第3のうまみである干ししいたけを加えることによって、相乗効果で旨みが増します。
さらに、かつお節や干ししいたけは、100℃で長時間煮るとうまみ成分が分解してしまうので、うまみを抽出する時は、低い温度(50℃以下)が適温。
出汁をとる時は50℃以下をキープしましょう。
麺を引き締める!茹でるときの水温
小さな鍋の場合、沸騰したお湯に麺を入れると50~60℃くらいまで下がってしまうので、半生のまま茹で上がってしまい、低い温度で茹でると麺が伸びたようなベチャっとした食感になってしまうのです。
麺にコシが出て引き締まる温度は100℃!
できるだけ100℃に近い状態で茹できることが重要です。
なぜ、家庭では低温になってしまうのか?
それは、コンロの火力が原因ではなく、麺に対して鍋のお湯の量が少ないから。
家でも名店のように高温で茹で上げるには・・・
2人前のうどんを茹でる時は、2つの鍋に分けて茹でること。
そして、麺を茹でる時は90~100℃をキープすることが重要です。
温度が低くなるので、家庭では、さし水は絶対にやったらダメ!
火力を強火から弱火にして調整するようにしましょう。
そば
1束80円のそばを科学の力で「香り高いそば&風味豊かな麺つゆ」が美味しい、横浜の「風来蕎」の名店の味に近づけます。
そばの香りアップ!香りの成分量
そばの香りは、乾いた干し草の香り成分に近く、「アルデヒド」という香り成分。
このアルデヒドを残すには、茹で時間を短くすることが重要。
茹で時間を短くして、香りをキープしながら、そばをしっかり茹で上げる方法は、茹そばを茹でる前に10分間水に浸す。
その後の茹で時間は、袋表示の半分でOK!
のどごしアップ!麺の表面のなめらかさ
そばの魅力はなんと言っても「のどごし」。
のどごしをアップさせるには、そばを茹でる前に鍋に大さじ1杯の油を入れて茹でる。
油を添加して茹でると麺の表面がなめらかになります。
サラダ油など匂いが少ない油がオススメ。
つゆ美味しさアップ!麺つゆの成分
つゆの美味しさをアップさせるには、市販の麺つゆを水で薄めて、その中に昆布を入れて冷蔵庫で一晩おく。
一晩かけてゆっくりとうまみを出汁に溶け込ませます。
低い温度の方が風味が強くなるため、冷蔵庫で冷やすのも重要。
ラーメン
新小岩にある「煮干し中華そば一燈」の味に近づけます。
この科学的ひと手間は、しょうゆラーメン・味噌ラーメン・とんこつラーメンにも使えるテクニックです。
スープをまろやかに!油のきめ細かさ
スープの油を乳化させることがポイント。
油がきめ細やかになると水分が入った形に変化し、油が本来持つ刺激が弱くなり油のうまみだけが際立つようになります。
名店ではじっくり煮ることで油を水に溶け込ませていますが、家庭ではどのようにしたら良いか?
スープをお湯で溶かすときに卵黄を入れてスープを作る。
卵黄を入れることで、水と油がよく混ざり、乳化します。
卵黄には「レシチン」という物質が含まれていて、このレシチンが油の周りにくっついて水の中で細かく分散させます。
スープを作るお湯は90℃以下でつくるのが重要!
沸騰したお湯で溶かすと香りを逃してしまうためです。
味の深みをアップ!味覚の幅
味覚は、旨味・甘味・塩味・苦味・酸味からなり、この味覚の幅が広がると脳は美味しいと感じます。
家庭のラーメンでは、苦味が少ないとのこと。
苦味は「コショウ」で足す!
フライパンでコショウを炒り、「焦がしコショウ」を作り、この焦がしコショウをスープの中に入れます。
コショウをフライパンで炒ると、コショウの中のアミノ酸と糖がメイラード反応という化学反応を起こします。
メイラード反応させたコショウは、香ばしい香りが足されて奥深い苦味になるそう。
味付け卵を科学的に美味しく作るには・・・
殻をむいたゆで卵をしょうゆ・みりん・砂糖で作ったタレに「カレー粉」を加えて漬ける。
カレー粉の苦味が「うまみ」を引き立ててくれます。
カップ麺
10分どん兵衛
10分どん兵衛とは、お湯を入れて5分でできあがるどん兵衛を、あえて10分待ってから食べるという食べ方。
麺につゆがしみ込んで、味わい深くつるつるした食感になるというのが人気の理由です。
でも、10分待っていると、温度が下がりますよね・・・。
そこで、つゆが温かいまま、味がしみ込んだ麺が楽しめる科学的ひと手間が、電子レンジで3分温めるという方法。
どん兵衛を耐熱容器に移し替え、お湯を入れて、ラップをしてすぐに電子レンジで3分温めます。
電子レンジで温めることによって、短時間ででんぷんに水分を含ませることができます。
カップ麺のラーメン
粉末スープは、直接カップ麺に入れずに、まず水に溶かしてから入れる。
熱いお湯で香りやうまみを飛ばさないようにするためです。