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ファイトケミカルの効果に注目!ベジブロス(野菜くずスープ)の作り方

NHKのあさイチでも取り上げられていた今話題の「ベジブロス」とは、野菜の出汁です。
英語のvegetable(野菜)+broth(だし汁)で、ベジブロスですね。
実は普段捨てている野菜の皮やヘタ、種などの野菜くずにこそ大事な栄養「ファイトケミカル」が含まれており、このファイトケミカルをとることでがんの予防やアンチエイジングに効果があると注目されています。
そこで今回はベジブロスの効果や効能、おいしい作り方や保存方法をご紹介します。
ベジブロスに向いている野菜や向いていない野菜も覚えておくと便利ですよ!

ベジブロスとは?

ベジブロスとは、野菜の皮やヘタ、種などをコトコトじっくり煮込んだ野菜だしのことです。
本来野菜が持っている甘みやコクが存分に味わえ、まろやかな優しい味わいです。

ベジブロスが注目を浴びるようになったのは、この野菜だしの中に強力な「ファイトケミカル」が含まれているから。

ファイトケミカルとは、植物の色素・香り・苦味(アク)などに含まれる成分で、動物と違って自ら動くことができない植物を外敵や環境から守ってくれる役割をしています。
たんぱく質、炭水化物、食物繊維、ビタミン、脂質、ミネラルという6つの栄養素に加えて、第7の栄養素とも言われるのが「ファイトケミカル」。

それくらい大事な栄養素が持っている最大の効果が抗酸化作用です。

人間の体は、加齢はもちろんのこと、食べ物などによっても酸化が進み、増えた活性酸素は、がんなどの生活習慣病や老化の原因になります。
若さを保ちたいなら、体内でいかに活性酸素を発生させないかが重要なのですが、この活性酸素を予防し、取り除いてくれるのが、抗酸化作用を強力にもっている「ファイトケミカル」です。

ファイトケミカルを積極的にとると、病気の予防やアンチエイジングの効果が大いに期待できるということなのです。

では、野菜のファイトケミカルにはどんなものがあるのでしょうか?
トマトでいうと、トマトに含まれるリコピンです。

それだったら、普通にトマトを食べているからわざわざベジブロスにして食べなくてもいいのでは?

ファイトケミカルは、野菜の皮やヘタ、種などに多く含まれているのですが、普段は多くの人が捨ててしまっている部分でもあります。
しかも、細胞壁に囲まれた細胞膜や細胞の中に入っているファイトケミカルは、この細胞壁を壊さないと体に吸収することができません。

じゃあどうやってその細胞壁を壊すのですか?

細胞壁は加熱することによって壊れます。
捨ててしまいがちな野菜の皮やヘタ、種をじっくり煮込むことで細胞壁を壊し、スープの中にファイトケミカルを溶け出させたものが「ベジブロス」なのです。

ファイトケミカルが豊富に含まれている野菜の切れ端を加熱して食べることにこそ効果があるというワケです!
ベジブロスはまさに、ファイトケミカルを効率よく摂取できる優れた調理方法だったんです。

ベジブロスの効果&効能

血糖値の急上昇を抑える

最近「ベジファースト」という言葉を聞く機会が多くなってきたなと思うのですが、ベジファーストとは、何かを食べる前にまず野菜から食べるということです。
一番初めに野菜から食べることで、糖質や脂質などが腸から吸収される速度を遅くしてくれるので、後からお米などの糖質が入っても血糖値の急上昇を抑えてくれる働きがあります。
その結果、インスリンも大量に分泌されることがないので、糖尿病の予防にもつながります。

がんの予防効果がある

発がんの引き金になるのが遺伝子を傷つける「ヒドロキシルラジカル」という強力な発がん物質。
人間はこの発がん物質を無毒化する能力を持ち合わせていないのですが、野菜に含まれるファイトケミカルには強力な「ヒドロキシルラジカル」でさえ消してしまうほどの抗酸化作用があります。
ベジブロスを積極的にとることでがん予防の効果が大いに期待できます。

アンチエイジング効果がある

ファイトケミカル最大の働きが「強力な抗酸化作用」。
人間の体が老化する最大の原因である活性酸素を除去してくれる働きがあります。
体全体のアンチエイジング効果はもちろん、お肌のシミやシワにも効果的です。

ベジブロスにオススメな野菜

ベジブロス 野菜 画像

基本的には料理の際に使う野菜の切れ端であればどんなものでもOkで、野菜の種類が多ければ多いほど美味しくなります。
我が家では味も色もよくなる玉ねぎの皮は必ず入れるようにしています。

ほんのりオレンジ色になって見た目にもキレイです。
ただし、入れすぎると苦くなるので入れすぎに注意して下さい。
基本の野菜
パセリやセロリを入れると香りがよくなります。
  • 玉ねぎの根元、皮
  • ネギの根元、青い部分
  • にんじんのヘタ
  • キャベツの芯
  • 生姜の皮
  • しいたけの軸
  • パセリの軸
  • セロリ
  • じゃがいもの皮
  • にんにくの皮
季節の野菜
旬の野菜を入れると栄養価も高くなり、味も濃くなって美味しくなるので、積極的に入れましょう。
  • トマトのヘタ
  • パプリカのヘタ、種
  • かぼちゃの種、ワタ
  • とうもろこしの芯
  • 枝豆の皮
  • かぼちゃの種、ワタ
  • 白菜の芯
  • 大根の皮、葉
  • りんごの芯

ベジブロスにあまり向かない野菜

香りが強い成分はベジブロスにはあまり向いていないようです。

  • 春菊
  • ニラ
  • オクラ
  • 三つ葉
  • みょうが
  • ししとう
  • きゅうり

ベジブロスを作る前の準備

ベジブロス 作り方 画像

ベジブロスは料理する時にその都度作ろうと思えば作れるのですが、けっこうな量の野菜を使わないとベジブロスを作る際に必要な「切れ端」が集まりません。
そのため、何日かかけて野菜の切れ端を集めます。

ジッパー付の保存袋に野菜の切れ端を入れて野菜室で保存しておき、両手1杯分くらいをためます。
冷蔵庫で1週間ほど保存できるので、その間にためるようにしましょう。

冷凍すると味が落ちて美味しくなくなるので、野菜の切れ端を冷凍保存するのはオススメしません。

ベジブロスの作り方

材料(約1リットル分)

野菜の切れ端 両手1杯分
水 1200~1500ml
料理酒 小さじ1

作り方

1、水を入れた鍋に野菜の切れ端、料理酒を入れる。

ベジブロス 作り方 画像

料理酒は火をつける前に入れるのが大事!
臭みを消してくれ、旨みを引き出す効果があります。

2、火をつけ、弱火で30分ほど煮込む。

この時アクが出ますが、アクもファイトケミカルなのでとらずに煮込みましょう。

3、火を止めて、ざるなどで濾す。

ベジブロス 作り方 画像

ベジブロス+1品で和洋中のだし

+昆布で和風だし

昆布を加えて煮ると、一気に和風味になります。

+ローリエで洋風だし

香りをつけてくれ、洋風に。
ローズマリーもオススメです。

+ネギやにんにくで中華風だし

ネギやにんにくを入れると中華風の味になります。
干しエビや干し貝柱を使うとうま味が出てグッと美味しくなります。

ベジブロスの保存方法

冷蔵庫で保存する場合

ベジブロスの粗熱がとれたら瓶などの保存容器に入れて冷蔵庫で保存します。
3日間ほど保存可能です。

冷凍庫で保存する場合

冷蔵して3日間では使い切れないという場合は、冷凍保存も可能です。
この時、製氷皿に入れて凍らしておくと、使いた時に使いたい量が使えるのでとても便利です。
ベジブロスを製氷皿に流し入れて冷凍庫で凍らして完全に凍ったら、ジッパー付きの冷凍保存袋に入れて保存します。

まとめ

ベジブロスを初めて作ったのはもう数年前のことになります。
子ども達がお味噌汁好きなので、よくお味噌汁を作るのですが、出汁は顆粒だしで済ませることがほとんどでした。
最近の味噌は出汁がすでに入っているし、顆粒だしを少し入れるだけで十分美味しいと思っていたんです。
ベジブロスに出会うまでは・・・。

だけど、ベジブロスでお味噌汁を作って食べたとき、

なんてまろやかな優しい味わいなんだろう~。

と感動したことを今でも覚えています。
子ども達もいつものお味噌汁とは違う味だということにいち早く気付いていました。

いつもの味噌汁が美味しくなるのはもちろん、

  1. 顆粒だしを使わなくていいので、経済的
  2. がん予防にもなるし、健康によい
  3. 私にとっては一番嬉しいかも「アンチエイジング」が自然にできている

と、いいことづくめなワケですよ、ベジブロスって。
しかも、いつも捨ててた部分なのでね。
入れる野菜によって味が変わるので、毎回違うベジブロスが味わえるのも楽しみのひとつかなと思っています。
今回のベジブロスはどんな味なんだろう?って。

みなさんにも是非是非試していただきたいです。
ベジブロスはお味噌汁やスープ以外にもいろんな使い方があるようなので、その活用法などもまたご紹介できたらいいなと思っています♪

ベジブロスの活用レシピはコチラ!

 

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